全般
Q. CFBはキャタピラが開発したようだが、製造もキャタピラ社?
A. CFBの研究開発・製造はキャタピラの本業ではないため、現在はFirefly Energy Co.が研究部門をキャタピラから買い取り、製造しています。研究開発拠点はそのままキャタピラ社内に、生産工場はインドにあります。
Firefly Energy Co.のウェブページ
Q. とても興味のあるバッテリだが、日本向けの製品はないのか?
A. JIS規格に適合するサイズのバッテリを生産することも検討はしていますが、現時点で商品化されているのは、アメリカ規格のバッテリのみです。
Q. 量販店で購入できますか?
A. 上に述べたようにJIS規格バッテリはまだラインナップにありませんので、量販店でも販売はしておりません。現在、電力プール用途での商談をお受けしている状態です(アメリカ仕様バッテリをそのまま使います)。
もしも、JIS規格バッテリをまとまった台数で購入希望の場合は、問い合わせ窓口からご相談ください。台数によっては特別生産できる可能性があります。
性能
Q. 時代はリチウムイオン電池で、いまさら鉛電池はないと思えるが、どこがすぐれているのか?
A. エネルギー密度では圧倒的にリチウムイオン電池が優れています。しかし、以下の項目では、CFBが勝っています。
- 安全性
極性を逆にしての充電という初歩的なミスがなければ、CFBは安全です。発火の心配はまったくありません。屋根の上の太陽光発電を、住宅の床下バッテリで受け止めての自家使用といった使い方でも、安心です。 - 初期コスト・メンテナンスコスト
リチウムイオン電池は単体でもコスト高ですが、とくに大規模電力プールでは、発火を防ぐためのBMS (Battery Management System) を組み合わせる必要があり、その開発にコストがかかります。また、このBMSがあるため、一部のセルがだめになっているだけの場合も、ユニットをまるごと交換しなくてはなりません。 - 低温性能
キャタピラが南極大陸での活動にむけて開発したものです。北海道のような寒冷地でも性能を発揮します。マイナス20度でも性能を出せるバッテリは、ほかにはありません。 - 災害時の安全確保
気候変動の影響で、大規模な水害に見舞われるおそれがあり、大規模電力プールは、水没時の安全性の確保が問題となります(感電死のおそれがある)。CFBで電力プールを構成した場合、CFB同士の配線を切ってしまえば、電圧を低くできますので、水没時の安全性確保も難しくありません。 - 災害時の別利用
千葉県を襲い、大規模な停電をもたらした2019年台風15号や、地震によって火力発電所が被害を受け、北海道全体がブラックアウトした事件( 2018年9月6日の北海道胆振東部地震)が如実に示すように、電力喪失は生活を破壊します。
とくに被害を受けたのは、搾乳機や散水ポンプを電力で動かしている農家・畜産家でした。スマートフォンに充電できないのも困る。こうしたケースでは、電力プールのCFBをバラバラにして、1基1基を緊急電源として利用することができます。
Q. CFBのエネルギー密度は既存の鉛電池の「約2倍」というが、高性能鉛電池のエネルギー密度は40Wh/kgで、CFBと同等ではないか?
A. 既存の鉛電池でもエネルギー密度の高いものがありますが、自己放電が激しく、また使いきると電極に硫酸鉛の結晶が付着して機能しなくなるため、実質のエネルギー密度は「その半分」と言われています。
Q. ともかく軽いバッテリが欲しい。CFBは鉛電池なので躊躇している。
A. 既存の鉛電池の半分の重さにできる可能性はあります(エネルギー密度が倍ですから)。しかし、しょせんは鉛電池ですので、リチウムイオン電池の軽さには及びません。CFBもやはり、あまり質量が問題にならない使い方に向いています。
Q. リサイクルはできるのか。環境負荷は?
A. CFBは既存の鉛電池のリサイクルにそのまま乗せることができます。また、稀少資源で、扱いの難しいリチウムに比べると、環境負荷も小さくて済むと考えています。
Q. 既存の鉛電池に対する利点はわかったが、価格があまりに高いとやはり検討対象にはできない。どの程度の価格なのか?
A. 高品質・高級鉛電池と比べて検討していただけるような価格です(納品条件によります)。すなわち、既存の鉛電池よりも高価ではあるが、間違いなくリチウムイオン電池より安くできます。